漁師になるにはQ&A
漁師になりたいのですが、どうしたらなれますか?
就業に関する情報を手に入れる
- 漁師になる「つて」を探して、まず浜の情報を手に入れることです。
- 漁師さんが自ら「求人」を行うことは少ないので、全国漁業就業者確保育成センター(全国センター)のホームページをこまめに見ましょう。北海道内の求人については、北海道漁業就業支援協議会(協議会)が全国センターのデータベースに登録しています。
採用してくれそうな経営体に当たってみる
- 「漁師になり、漁業をやっていく」という強い意志をはっきり伝える。
- 「漁師でもやってみようか・・・」の中途半端な気持ちでは、採用まで進みません。
- 「体験漁業」に参加し、自分の漁師としての資質や地域の受入状況を判断する。
漁師としての経験を積んでいく
- 個人経営の漁師の元での研修や就業開始時には、賃金等の待遇面には期待できません。
- 様々な漁業技術や知識を習得するにつれて、収入面も含め一人前に近づいていける。
漁村という地域に馴染んでいく
- 技術・知識の習得は、勿論ですが、人、物、衣食住等、地域の環境に馴染むことが第一に必要となります。
漁師になるための養成施設での技術の習得に努める
- 北海道庁は、道南の鹿部町に全寮制の道立漁業研修所を開設しています。
ここでは、高等学校卒業の年齢以上でこれから漁師になろうとして地域の漁協から推薦されてきた人たちが、約半年間の寮生活をしながら、漁業に必要な制度やしくみを含め、漁船の操船、海上特殊無線、潜水士、小型クレーン、フォークリフト、玉掛け技能、ロープワークなどの技術習得に励むことができます。修了時にはこれらの資格や免許の取得も可能です。 - また、漁業就業中で漁船操縦や海上特殊無線の免許が必要となった人のために、短期間で免許取得ができる講座も開設しています。
- 詳しいことは、道立漁業研修所(茅部郡鹿部町字本別540番地 電話01372-7-5111)にお尋ねください。
漁業協同組合員となるための要件を満たす
- 地域の漁業協同組合の組合員とならなければ、「漁業権」、すなわち、その地域での漁業を営むための権利を得ることが出来ません。
- 「漁業権」を得るには漁協で異なりますが、おおむね以下の3点が必要とされます。
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年間90~120日以上の漁業実績
地域に定住して漁業就業を継続する意志
移住者には、意思確認のための数年にわたる実績
- これらの資格要件を充たした後、理事会での承認などを経て、はじめて組合員として受け入れられます。
- さらに、組合員になるには一定額の出資金を漁協に支払うことが必要です。
独立に必要な資金を準備する
- 組合員になったからといって、直ぐに独立できるのはまれです。
- 漁船、機器、漁具を整えるための資金が必要です。
- 技術を磨きながら、将来の独立を目指して資金の準備をしておくことが大切です。
- 資金面の支援を受ける場合は、本人の意気込みややる気が決め手となります。
漁業種類によって必要な許可を取得する
- 知事等の許可を受けなければ、漁業が出来ない場合があるので、一定の実績を積む必要があります
- 漁師の子弟以外の人が独立して漁業をすることは、簡単ではありません。しかし、高齢化等で廃業が増えつつある状況もあり、後継者として理解を得やすい環境もあります。
船舶免許など資格取得が必要となる
- 将来、漁業で独立しようとするなら「船舶操縦」や「漁業無線」免許等の資格が必要です。
- 資格取得講習は、海技教習所で行っていますが、道立漁業研修所や協議会でも支援をしますので、相談してみてください。
- この他、漁船係留や漁具取付などのためにロープワーク技術習得は必須です。
- 協議会では、船舶操縦士、無線技士、潜水士の3つの資格取得講習に対し支援しています。
漁師・漁村での生活を教えてください
勤務時間は定まっていない
- 多くの漁業では、市場の開設時間に合わせたり、鮮度保持のため早朝や夜半から仕事をする等、サラリーマンのように出勤や退勤時間は定まっていません。
- 出漁して操業を行い、帰港して水揚げと出荷を終えた後、漁具や漁船の機械類を点検し、修理や翌日の出漁準備をして、その日の作業が終わります。
- 養殖漁業は年間を通しての生産サイクルが決まっているため、それに合わせて日々の工程を確実にこなさなければなりません。
- また、季節や気候の変動があるので、予測できない気象変化にも対応できるよう準備が必要です。
休日や休暇は自然と相談で
- 海という大自然を相手にし、全ての生産を委ねていますので、計画的に定まった休暇を取ることは難しい職業です。
- 基本的に自然環境に左右されるので、仕事が出来るときに十分やることが、漁家経営の安定に繋がると理解する必要があります。
沿岸漁業での給与などの待遇面はまちまち
- 沿岸漁業の多くは個人経営ですので、給与等の待遇はまちまちです。
- 一定レベルの雇用環境を確保するため、地域の生計費、社会習慣、漁協での取り決めが行われているので、内容を確認する必要があります。