漁師になるにはQ&A

漁師になりたいのですが、どうしたらなれますか?

就業に関する情報を手に入れる

漁師になろうと気持ちが固まったら、漁師になる「つて」を探さなければなりません。
沿岸漁業では家族経営がほとんどなので、いわゆる「求人」を広く行うことは極めて稀なことなのです。もし北海道での求人があれば、北海道漁業就業支援協議会(協議会)が全国漁業就業者確保育成センター(全国センター)のデータベースに登録するので、全国センターの<ホームページ>をこまめに見てください。また、全国センターのホームページには全国の求人情報が登録されているので、志望する地域が決まっている場合は、その地域情報を閲覧してみると良いでしょう。

採用してくれそうな経営体に当たってみる

運良く希望の求人情報に出会ったならば、応募して選考を受けます。この時に重要なのは『漁師になり、漁業をやっていく』という強い意志をはっきりと採用側に伝えることです。『いろいろやってきたが漁師でもやってみようかと・・・』という気持ちでは絶対に続かないし、採用側でもそのような気持ちの人を受け入れる気はありません。
「体験漁業」に参加して求人を探す方法もあります。協議会や<北海道立漁業研修所>あるいは市町村、漁協などでは後継者になるような人を求めて「体験漁業」を行っています。それに参加して自分の漁師としての素質や地域の人たちへの受け入れ状況などを評価して、漁師の道を切り開いていく方法もあります。

漁師としての経験を積んでいく

一人前になるまではかなり安い賃金で働かなければならないことを覚悟しておく必要があります。漁業会社の従業員や比較的大きな船の乗組員になった場合は給与規定などもありますが、個人経営の漁師の「手伝い」や「研修として」弟子入りした場合、待遇面も含めて多くを望むことは難しいと思ってください。しかし、さまざまな漁業技術や仕事の要領を習得するにつれて、収入面も含めて一人前に近づいていけるのです。

漁村という地域に馴染んでいく

漁業技術の習得はもちろんですが、地域の住民として「実績」を積んでいくことも重要です。その地域に住んでいないと漁協の組合員の資格を得られない法律の規定があります。また、何といってもその地域に住み漁師になることは、あなたにとって『新しい故郷』となるのですから、地域の慣習も含めて一つ一つを受け入れ馴染んでいくことが大切です。

船舶免許など資格取得が必要となる

見習として漁船に乗せてもらっているうちは必要ありませんが、本格的に漁業を行い将来独立しようとするなら「船舶操縦」や「漁業無線」免許などの資格が必要となります。沿岸漁業での漁船操縦には一級小型船舶操縦士と2級海上特殊無線技士の資格が必要で、18歳以上から取得交付を受けることができます。船舶操縦には身体基準もありますので注意してください。これら資格取得講習は海技教習所で行っていますが、道立漁業研修所や協議会においても北海道内の漁業就業者であることを条件に講習受講などへの支援を行っています。このほか漁船の係留や漁具の取り付けなどのために必ずロープワークの技術習得は必要となりますし、着業した漁業によっては、小型クレーンや玉掛け、潜水士の免許・資格などを必要とするものもあります。これら講習などに対しても協議会は支援を行っています。

漁業協同組合員となるために要件を満たす

漁業協同組合の組合員とならなければ、その地域での漁業を営むための権利「漁業権」を得ることができません。漁協によって異なりますが、 1.その地域で年間90日~120日以上の漁業を行った実績と、 2.その地域に定住することを条件とし、継続して漁業を続ける意志がなければならず、 3.他の地域から移住してきた場合は、意志確認のために数年にわたる実績が必要となりますが、最近はこの実績基準については漁業により違いがあったり、要件が緩和されてきていますので、地域の漁協に問い合わせてみてください。このような資格要件を充たしている希望者について理事会に諮り承認を得るなどの手続きを経て、組合員として受け入れられることとなります。さらに、一定額の漁協に対する出資金も必要となります。

独立に必要な資金を準備する

組合員になったら直ちに独立できるのは稀です。船を準備したり、網などの漁具や漁労に必要な機器類を整えるための資金が必要です。コンブやウニを採る船と、沿岸でも魚などを獲る船とでは船型や装備が違いますから、やる漁業によって二百万円から数百万円の資金が必要となります。採捕や漁労、操船技術を磨きながら、将来の独立を目指して資金の準備をしておくことが大切です。また、本気で漁師になるため頑張っている姿勢を見て、漁協や地域が低利な貸付や機材の調達などで支援を考えてくれますから、本人の漁業に対する意気込みややる気が決め手になります。

漁業種類によって必要な許可を取得する

地域や漁業の種類によっては、知事による許可などを受けなければ、漁業ができない場合があります。この許可を受けるにも、一定の実績などが問われることになりますので、事前に確認しておく必要があります。
漁師の子弟以外の人が独立して漁業をしようとすることは、決して簡単なことではありませんが、周囲の漁師が高齢化して廃業する人が増えつつある状況から、本人の気概次第で周囲の人たちの理解を得ることも容易な環境となっています。

漁師になるための養成施設で技術の習得に努める

北海道庁は、道南の鹿部町に全寮制の道立漁業研修所を開設しています。
ここでは、高等学校卒業の年齢以上でこれから漁師になろうとして地域の漁協から推薦されてきた人たちが、約半年間の寮生活をしながら、漁業に必要な制度やしくみを含め、漁船の操船、海上特殊無線、潜水士、小型クレーン、フォークリフト、玉掛技能、ロープワークなどの技術習得に励むことができます。修了時にはこれらの資格や免許の取得も可能です。また、漁業就業中で漁船操縦や海上特殊無線の免許が必要となった人のために、短期間で免許取得ができる講座も開設しています。
詳しいことは、漁業研修所(茅部郡鹿部町字本別540番地  電話01372-7-5111)にお尋ねください。

漁師・漁村での生活を教えてください

勤務時間は定まっていない

資源管理や漁家経営の安定を図るために、漁業種類によっては出漁する時間や操業時間を決めているものもありますが、多くの漁業は市場の開場時間に合わせて操業するとか、漁獲物の鮮度を保つために早朝とか夜半から仕事をするなど、サラリーマンのように出勤や退勤時間は定まっていません。出漁して操業し、帰港して水揚げ出荷して、漁具や漁船の機械類を点検し、修理や翌日の出漁準備をしてからその日の作業を終えます。養殖漁業になると、年間を通しての生産サイクルが決まっており、その中の一日の工程を確実にこなさなければ経営計画がずれてきます。また、季節や気候の変動もありますし、予期できない気象変化にも対応できるよう、ゆとりの時間も工夫して見いださなければなりません。

休日や休暇は自然と相談で

海という大自然を相手にし、生産のすべてを委ねているといって過言ではありません。お盆とお正月は休みで、あとは荒天で出漁できず陸上の作業もない日に限ってやむを得ず休日とするのが普通ですが、最近では家族や従業員の慰労・慰安のために休暇などを設けている経営者が多くなっています。しかし、基本的には自然現象に左右されている職業ですから、仕事ができる状態のときに十分に仕事をすることが漁家経営の安定につながると理解してください。

沿岸漁業での給与などの待遇面はまちまち

会社経営として運営しているところでは就業規則などにより、給与基準が明らかになっています。沿岸漁業の多くは個人経営ですので、給与などを含めて待遇はまちまちとなるのはやむ得ないことです。しかし、地域の生計費レベルや社会慣習、あるいは漁協内部での取り決めなどにより、一定レベルの雇用環境が約束されています。それぞれの地域における取り決め事項を確認してみてください。

北海道の水産業や漁村の様子を詳しく知りたいのですが?

北海道の水産業のすがた

北海道は、周囲を日本海、太平洋、オホーツク海と三つの海に囲まれ、また津軽海峡や根室海峡に接する地域や噴火湾を囲む地域を擁するなど、海域特性や地域特性に富んだ漁業が営まれています。それらの毎年の状況を漁業統計や水産施策の概要で提供している「北海道」のホームページがありますが、北海道漁業就業支援協議会のホーム画面「北海道で漁師になろう!」から北海道の「水産業」[北海道の水産情報(道庁)] にリンクされていて、各種情報を調べることができます。

北海道で使用されている漁具・漁法

北海道は、特徴ある三つの海と潮流の影響を受けて四季折々に大量の魚が漁獲されます。また、浅海部や磯においてもコンブやウニ、貝類などが豊富に生育していますので、これらを採取・漁獲する漁法や漁具なども本州とは規模や形が違い、また本道にあっても、同じ魚介類を獲るにも最新の漁労機器を用いる地域があったり、伝統的な漁具や漁法を用いる所もあります。「北海道の漁業図鑑」 はこのように北海道で使用されている漁具・漁法に関して整理したものです。これらを知ることにより、漁師になろうとする人は本州の漁業との違いを比較しながら北海道の漁業や漁村をイメージすることができると思います。

漁師になって生活する「町」の様子

北海道で漁師になろうとする「町」がどのようなところなのか、その医療、教育、商工業などの生活環境や自然環境を知ることは大切なことです。もちろん、広い北海道のどのような位置にあり道路網など交通アクセスの情報は移住・転職・就業の大切な要素でしょう。そこで協議会ホーム画面では「市町村情報(道庁)」でお調べいただくこともできるようにリンク情報を提供しています。